急に触れられた沙都子は数秒固まった後、頬を紅くしながら梨花から目を逸らそうとする。

 

そんな沙都子を梨花は逃がす気がないようで、顎を優しく掴み自分の方へ向けようとした。

 

「ちょ、ちょっと止めてくださいまし!梨花には私の気持ちなんて解らないのですわ! そうやって、からかって楽しんで・・・結局、私は何なんですの!!」

 

一気に爆発した沙都子が梨花の手を振り解こうとしたその時、 沙都子は体のバランスを崩し梨花にもたれ掛かった。

 

体が触れた瞬間、汗の匂いと梨花の匂いとが混じる。

 

沙都子は訳も解らず、梨花の腕を掴みながら見上げるように上を向いた。

 

怒りはもう収まっていて、あるのは静かな感情だけだった。

 

見上げた梨花の表情から何の感情も読み取れない。

 

まるで、人形のように固まったまま――

 

それでもお互い、じっと相手を見つめたまま動こうとしなかった。

 

動いた瞬間、全てが終わってしまうような気さえした。

 

自分自身が呼吸していたかも覚えていない。

 

じりじりと焼け付く赤いライトを背に先に動いたのは梨花であった。

 

「沙都子」

 

「な・・・」全ての言葉が梨花で掻き消される。

 

咄嗟のことで体が動かない――

 

干乾びた唇が相手の熱を奪っているかのごとく、どんどん熱くなっていく。

 

麻痺したように解らなくなっていく思考と溶けてしまいそうな心を沙都子は必死で踏みとどめる。

 

そんな彼女を梨花は許そうとはしなかった。

 

彼女が身を固めようとすればするほどより強い力を加えたのだ。

 

必死で耐える彼女の体が徐々に弱々しくなり、最後はその場に座り込んでしまった。

 

見上げた先には沙都子を得意げに見る少女の姿がそこにはあった――

 

Fin

うーん・・・これ、書いたの一年前だからかなり文体が違う・・・(苦笑)

むしろ、文体が定着してなくて・・・すみません状態・・・・(汗)

りかさと、いいよね!!

一緒に住んでるのに、わざわざ、呼び出すなんて・・・沙都子もやる子だわwww

てか、沙都子がどうして呼び出したかとか・・そこんとこ書いてない・・・あれれ?

んー・・・梨花ちゃまが予定調和を乱すからいけないんだ・・・多分(汗)