事実は小説より奇なり・・・なんて言ってはいるけどあたしは信じてなかった。

だって、フィクションより面白いことなんて実際、ある?

空を飛んだり水の上を歩いたり、普通に出来ないもん、あたし。

多分、あたし以外の人も出来ないと・・思う。

んー・・・例えがおかしいかもだけど・・・要するに奇妙ってことでしょ?

そんなの・・・・・・無いよ、無い。

思い浮かぶ出来事は無きにしも在らずだけど・・・・せいぜい、『変』止まり。

奇妙なんて言葉、リアルに使わないしね。

なのに、鍵を開けた途端、男の人がいるって何・・・?

 

へ?ド、ドッキリ・・・とか・・・?

ポカンと口を開け、扉の前に突っ立っているあたしに向かい、そいつは不愉快そうに「寒い」なんて呟きやがる。

 

・・・・はい?

発した声があまりにも低かったのと状況的に理解できないせいで、あたしは正常な反応が出来ないらしく、

石のように固まったまま、目の前にいる(よく見れば、かっこいい)輩をまじまじと見つめることしか出来なかった。

見た感じ、同世代かせいぜい、すうこ上くらいだろうか・・・・・んー・・・

背はかなり高く、黒髪がツンツンしている。

脚が長いなんて不覚にも見とれていると、より不愉快そうに「聞いてんの?豆?」なんて言いやがる。

 

明らかに捻じ曲がってる。

なのに、あの時のあたしは奴の皮肉にまったく、気が付かず、

 

純粋に「豆?」なんて聞き返してしまっていた。

その瞬間、奴は意外そうな顔した後、「お前・・・馬鹿?」と最低な顔で言うのだ。

今、思えばよく、我慢できたなと思う。

 

ほら?アパートの鍵を開けたら知らない人がいたなんて、常識的におかしいでしょ?

 

明らかに不審者だ。

普通だったら・・・警察とたこ殴り状態。

 

まぁ、あたしがそれをしなかったのは・・・情とかそんなもんじゃないから、断じて。

 

奴が持っていた手紙を読んで・・一応、納得したというか・・納得させられたとか所謂、そんな感じかな・・・多分。

そういえば・・・もう、気が付いているかと思うけど・・・これがのちに『ツンデレ王子』と呼ぶことになる、某人物である。

 

まっ・・・あたしはこれ以上、説明したくないんだけど・・・ね。

Continue!

 

 

 

 

 

佐藤さん初のオリジナルですYO!!!!

この続きは・・・同人誌とかで発表したいけど・・・

実際、どうなんでしょうねぇ・・・www

欲しい方がいたら・・・考えますww