貴女が好きなの――

震える声ででも、貴女にこの気持ちが伝わるのなら あたしは幸せなのに――

言えないのは、怖いから? 

それとも――

 

絶え間なく雨が降っている。

 

せっかくの休みなのに、あたしはつまらなそうにベッドに横になっている。

 

こういう時は、誰か連れ出してくれるもんでしょ?

 

普通・・・・・

 

なんて、お姫様気分、どうかしてる。

 

ポツポツと当たる雨を聞きながら、あたしは逢えないあいつのことを考えていた。

 

今、何してるんだろ・・・・・そういえば、鴇羽と遊ぶって言ってたっけか・・・

 

あたしは・・・・

 

そんな負の感情を振り払うかのようにあたしはMDラジカセのスイッチを押す。

 

すぐさま、雨の音は消え、知らない歌声が響く。

 

部屋の中は雨のせいで薄暗かったが、電気を付けることさえ億劫だった。

 

んー・・・雑誌、何処だっけ・・・

 

数分、聞き入っていた音楽に飽き、あたしは床へと目を移す。

 

それでも、音は鳴りっ放しだ。

 

あたしは手探りで探し当てた雑誌を持ち上げようとした瞬間、指先に埃が触れる。

 

停止ボタンを押したようにあたしの動きが止まる。

 

そういえば・・・二ヶ月も掃除してないんだっけか・・・

 

目を凝らすとごちゃごちゃした部屋の中が見える。

 

あたしは具合が悪くなって、手にした雑誌を床へと落とす。

 

それが悪かったのだろう。

 

嫌な音がしたと思った途端、綿埃があたしの器官になだれ込んだ。

 

埃っぽい・・・・・

 

ケホケホと咳き込むうちに涙目になる。

 

そんな中、携帯が鳴る。

 

咄嗟に携帯を掴み、電話に出ると・・・・・・・

 

「もしもし?」

 

『おっ、奈緒か?私だ!!』

 

「・・・・誰?」

 

『なっ!?わ、私だ!!』

 

「ばぁーか、解ってるわよ」

 

『うー・・奈緒はまた、私に意地悪する・・・・』

 

「で?何?何の用なの?」

 

あたしは胸の動悸を抑えるようにそっけない態度で話すのだった。

 

「えーとだな・・・・特に理由はない!!!」

 

一瞬、呆れたあたしに命は不可抗力的に「けど・・奈緒の声が急に聞きたくなった!!」と言うのだった。

 

え?

 

い、今・・・なんて?

 

「奈緒?」

 

『え?嗚呼・・・・ばか・・』

 

さっきまで五月蝿かった雨音は聞こえなくなってしまっていた。

 

Fin

 

みこなおssっwww

好きだから切ないんですよねぇーww

でも、少しの言葉で嬉しくなるという・・・はぅー・・乙女ですねぇ・・・www