貴女が優しく受け入れてくれるから――

 

いつだって 私は 我がままになれるのかな――

 

でも 同じじゃないんだよ?

 

本当は・・・・

 

生徒会室には遥と雪之しかいなかった。

 

生徒会長がいないといつもの本領を発揮しないらしく、遥は珍しく読書なんかしている。

 

実際、雪之が読んでいたものらしく、

 

遥はつまらなそうにページに目を移すだけだった。

 

静かな遥を見るのは雪之にとって新鮮で面白い。

 

だが、よく、見ると一頁も進んでいない。

 

おもわず、苦笑いする雪之に気がついた遥はうんざりしながら、

 

見ていた本を放り投げるように雪之へと返す。

 

手渡された瞬間、雪之の手に本の重みが充分過ぎるほど伝わってくる。

 

雪之はその本をゆっくり、机へと置き、

 

恥ずかしそうに遥の手を握る。

 

触れられた遥は一瞬だけ驚きながらも、雪之の言葉を静かに待つのだった。

 

その視線に緊張しながら雪之がおもむろに口を開く。

 

いつもより少しだけ声が高くなる。

 

「はっ、遥ちゃん・・・・あの・・・えっと・・キスしてもいい・・かな・・なんて・・・」

 

「・・・今、此処でなきゃ駄目なの?まぁ・・ゆっ、雪之が此処でいいって言うなら・・・私は別に・・・」

 

顔を背けながら言う遥の様子が愛おしく、

 

雪之の顔が無意識にほころぶ。

 

そして・・・・・握った手に力が入る。

 

「いいの!?遥ちゃん!!」

 

「ばか!!声が大きいわよ!!ぶぶ漬けに見られたら明日から学校に行けなくなるんだからっ!!・・・・で、やるならちゃっちゃと済ませるわよ、雪之!!」

 

向けられた遥の顔は朱をさしたように赤い。

 

それでも、雪之の顔をまっすぐ見ている。

 

「じゃあ、いくよ・・・遥ちゃん・・・」

 

「雪之っ!!よ、よけいなことはいいから・・・は、早くすましてちょうだい!!」

 

「うん・・・・ありがと、遥ちゃん・・」

 

「雪之のためだったらこのくらいどぉってことないわよ。それより・・・雪之はこんな事で嬉しいの・・?」

 

「え?」

 

「あっ・・い、いゃ・・・私は・・・」

 

そんな遥の言葉に蒼白になっていく雪之。

 

握った手に汗を感じる。

 

重い沈黙後、遥は気まずそうに雪之に話しかける。

 

「お・・・怒ってるわよね・・?」

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

何も言えずだた、遥を見つめ返す雪之は迷っているようだった。

 

そして、不安になる遥に雪之は哀しそうに呟く。

 

「遥ちゃんは・・・・優しすぎだよ・・だから・・もう、いいよ」

 

繋がれていた手はいつの間にか切れ、永遠に繋がれることなどないかのよう、固く握られている。

 

何も言えなかった、かける言葉が遥には見つからなかった。

 

どんな言葉もここでは無意味だと知っていたから。

 

何も言わない遥に雪之は哀しげな笑顔を浮かべ、生徒会室から出て行くのだった。

 

すれ違う遥の耳に「ありがとう」という言葉を残して―――

 

 

 

え、えーと・・・次回に続く!!!!

てか・・・ずっと前に書いたやつなので・・形式が・・・・

私のssって形式が安定しないんですよねぇ・・・・・

まるで、他の人が書いたssみたい・・・だわ・・・・