教室に五月蝿いくらい響く命の声、あたしはうつ伏せになっていた身体を起こし、うっとおしそうに命を見る。
久々の朝登校は辛いんだから・・・ってあいつに言っても無駄か・・・・
あたしは言いかけた言葉とともにあいつに向けた視線をゆっくり戻す。
あー・・・・眠いったらありゃしない・・・・
無意識に出た欠伸を隠すように再び、うつ伏せになる。
さっきまで寝ていたせいで、机はほんのり温かかった。
すぐに周りの声が聞こえなくなってきたと思ったら・・・・って、うっさいわ、ボケ!!
顔を上げると命がキョトンとした顔であたしを見る。
はぁ・・・呼んだのはあんたでしょ・・・
「ん?何だ、奈緒?」みたいな顔すんなって・・・・
「命・・・あたし、眠いんだけど・・・?」
「知ってるぞ?あおいが奈緒は毎日、夜遊びしてるって言ってたもんな!!!」
そんな事、笑顔で言わないでよ・・・まったく・・あんたは。
教室の視線が少し痛いんだから。
あたしはめんどくさそうに、命に言う。
「だぁ・・もぅ・・お願いだから寝かせてよ・・・命?」
「今日は何の日だ!!奈緒?」
へ?
あたしの話、無視?
てか・・・いきなり、何・・・・?
んー・・・・・・・・・解らない。
数秒考えても解らなかったあたしは命にギブアップを乞う。
あたしの言葉を聞いた命は嬉しそうに「今日はバレンタインだ!!」と叫ぶ。
あー・・・うっさいつーの、ばか・・・。
「で?そのバレンタインが何?あたし、何も持ってきてないわよ?」
煩わしそうにあたしは命を見る。
早く、寝た・・・・・ん?何、これ?
命があたしの前に小さな箱を出す。
理解出来なくてあたしは命の顔をまじまじと見つめてしまった。
「奈緒?」
「へ?」
ちょ、ちょっと待って・・・あたし、何・・ぽかんとしてんの?
「・・・・・・・鴇羽が作ったの?」
うわっ・・・何?
この嫉妬感、丸出しの発言は・・・・・
「違うぞ、静留に教えてもらって作ったんだ!!!」
「・・・・そ、そう」
どきまきしながらあいつを見ると何だか幸せそうで、つられてあたしも笑ってしまった。
微妙な名前が聞こえたのは軽くスルー。
「奈緒?」
「え?嗚呼・・・・」
笑った理由が解らないらしく、命はあたしを呼ぶ。
だから、あたしは言ってやった。
馬鹿なあいつにも解るように「お返しは何がいい?」と。
そう、少しだけ愛しさを込めて――
Fin
ほのぼの系を狙ったつもりのss・・・
どーなんでしょうかねぇ・・・・www