台所から甘い香りがする、私は気になって、
見ていたテレビを名残惜しそうに消し、台所へと急ぐ。
台所を覗くとそこには柚明の姿――
いったい、何をしているのだろう・・・・・・
ぼんやり眺めていると柚明が私に声をかけてきた。
「ノゾミちゃん?」
柚明は振り返らず、私の名を呼ぶ。
気配で解るのだと前、言っていたような気がする。
私は柚明にそっけない返事をする。
ここにいることが何だか気恥ずかしかった。
「なによ?」
「特に理由は無いのだけど・・・・どうしたの、かなと思って・・・・」
柚明は振り返らず、会話することが失礼かと思ったらしく、私の方へ向きなおし、
手に持っていたボールをテーブルに置く。
その様子を見ていた私は柚明の指に茶色い液体がくっ付いているのに気がつく。
何だろう、と凝視していると柚明の視線も自然とそこに注がれる。
柚明は照れたようにさっと指を隠し、私に明日は、バレンタインだから・・・と呟くのだった。
・・・・・・バレンタイン?
そういえば、最近のテレビはバレンタイン特集で五月蝿かったような・・・・・
この前、桂にバレンタインの主旨を教えてもらったのだけど、いつかまで把握していなかった。
この腑抜けさが桂らしい――
「で、柚明は・・・・・桂に作っていたわけね?」
からかうような口調で私は柚明に言う。
「えぇ・・・桂ちゃんに内緒で、夜に作っていたのだけど・・・」
言いながら柚明は私をちらっと見る。
「私にはばれてしまったというわけ?」
「そう」
困ったように言う柚明を見て、悪戯心に火がつく。
「桂は・・・・」
「え?」
幸せ者なのね、と呟き、柚明の指をそっと銜える。
銜えながら、柚明を見ると・・・桂より騒がないもののどうしていいか解らないようで、
顔を赤らめながらじっと私を見ている。
柚明の顔を見た私は指先のチョコレートを舌で舐め取る。
舌先が指に触れると、くすぐったいようで柚明は指を引っ込めようとする。
私は逃がす気など更々、無い。
柚明の細い手首を掴み、指先を舐め続ける。
台所には不規則な水音と柚明の呼吸音しか聞こえなかった。
その行為と柚明の反応に満足した私は予告無しに口を離す。
そして、ぼんやりした柚明に私は言うのだった。
「桂以外にも・・そんな顔、するのね」と。
私は踵を返し、台所を離れる。
ふと、テーブルに目をやると、ボールのチョコは既に固まってしまっていた――
Fin
何ですか・・・このノゾユメss・・・・・・・
実際、ノゾユメssってあんのw?
異色カプっすね・・・・・・・・・wwww
この後の話とか・・・
14日までにupするかもですwwww