食卓に並ぶ二つの人影、

 

私はその影をつまらなそうに見つめる。

 

それも・・・柚明おねえちゃん、すんごく美味しいよ!!なんて締まりの無い顔をしている桂のせい。

 

何…あのだらし無い顔は…

 

媚びるような声と態度に増え続ける苛立ち。

 

何なのよ・・・・・・

 

苛立ちに我慢できず、

 

私はテレビのある居間へ移動しようと桂達から離れる。

 

すると・・・・後ろから桂の声が・・・・。

 

私は振り返らず、テレビを見に行くのよ、とめんどくさそうに返答する。

 

まったく・・・・・・桂は。

 

思わず、溜息を吐いていると、

 

「えーと・・ノゾミちゃんも・・・食べる?」

 

今、何を言ったのかしら・・・・・・

 

桂の言葉に驚いた私は思わず、振り返る。

 

すると、フォークに刺さった肉が見える。

 

そして、その先には一生懸命腕を伸ばしている桂と半ば呆れ顔の柚明の姿。

 

「貴女・・・・」

 

脱力した私は桂を呆れ顔で見つめた後、

 

ふと気がつく。

 

ああ・・・・そうね・・・・いただくとするわ。

 

目を細め、桂にそっと近付く。

 

ノゾミちゃん、あーん、なんて声、私には聞こえない。

 

差し出された手首を軽く掴み、爪先立ち。

 

その瞬間、桂が驚きの声を上げる。

 

何を驚いているのかしら・・・・・

 

「ノ、ノゾミちゃん!?あ、あのね!!そ、そっちの・・・ごはんじゃなくて・・・」

 

舐められた首筋を軽く押さえ、桂が叫ぶ。

 

見れば、頬も耳も赤い。

 

「あら?桂は・・・私が何を欲しているか・・・解ったのかしら?」

 

「うっ・・・わたしがいくら・・・鈍くてもそのくらいはわか・・・って、ちょっと待って!!」

 

そう言いながら、桂は私の口元を必死でおさえる。

 

「駄目だってば・・・私・・・明日、学校だし・・・ゆ、柚明おねえちゃんがいるから・・・は、恥ずかしいよ・・」

 

柚明・・・・?

 

訝しげに目を細め、桂が指差す方向を見る。

 

そこには苦笑いしながら、こっちを見ている柚明がいるのだった。

 

ふぅーん、そう・・・・それなら・・・・

 

桂の手を易々、解き、柚明に言うのだった。

 

「なら・・・・桂はいいわ。柚明・・・貴女の血をちょうだい」

 

あえて柚明に言う。

 

そう、そこがポイント。

 

そうすれば・・・

 

「なっ!?だ、駄目っ!!駄目だよ!!」

 

柚明が何か言う前に桂の抗議の声が五月蝿いくらい聞こえてくる。

 

焦っているのが、声で解る。

 

追い打ちをかけるが如く、私は桂に解く。

 

「あら、そうなの?なら・・・・桂はどうするの?」

 

「え・・・・?それは・・その・・・うっ・・私が血をあげるしか・・・・」

 

「そう・・・いい子ね。桂、動かないで・・・」

 

私は目を細め、桂の首筋に舌を這わる。

 

温かい血がその下に流れていることを確かめるよう、

 

何度も舌を反芻させる。

 

そして、桂の柔らかな肌に容赦なく、歯を食い込ませる。

 

皮膚を破った瞬間、

 

堪えきれず、桂が声を上げる。

 

フォークを持った手がブルブル震えているのが見える。

 

それでも、私は止めず、

 

必死で舌先と喉を動かし、

 

それを受け入れる。

 

柚明が心配そうに桂を見ているのが気配で解る。

 

だから・・・・私は目線を少しあげ、彼女に笑いかける。

 

そう、勝ち誇ったように――

 

Fin

無意識に嫉妬って萌えませんかw?

ジェラシーって素敵だ・・・www